大使館TOP大使スピーチ>着任の挨拶

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四宮大使着任のご挨拶

 

この度、在ポルトガル共和国に赴任して参りました四宮信隆です。

 

長い友好の歴史を持つポルトガルに着任し、両国関係のさらなる発展のため微力を尽くしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

本年は日本・ポルトガル修好150周年の記念として、両国で多彩な交流事業が行われています。今月14日に、ポルトガルでの周年行事は閉会式を迎えますが、年間を通じこれほど多くの交流行事を企画、実施してこられた「実行委員会」の皆様をはじめ、行事にご参加くださった多くの方々に、深甚なる敬意と感謝を表したいと思います。

 

一連の行事の真っ只中に着任し、短期間の間にリスボン首都圏での行事に加え、ポルト市の「ジャパン・ウイーク」に2回、当国南西端のビラ・ド・ビスポ市での種子島火縄銃の実演も視察し、さっそく地方自治体の首長の皆様とも会談できました。修好150周年の記念行事は、日・葡双方の国民が長い交流の歴史を改めて思い起こし、また両国の現状や交流関係の実情について認識を深める契機となり、今後の両国関係に思いを巡らせる機会にもなっていることを嬉しく思います。

 

着任早々の感想ですが、日・葡間の歴史には日本人の一般知識を遙かに超えた興味深い史実が沢山あるように思われます。同時に、両国民の相互理解には依然不均衡もあるように感じました。かかる状況を勘案しつつ、相互理解の発展のため、引き続き文化、学術、観光などの交流を促進し、また我が国の広報にも意を用いていきたいと考えます。

 

他方、現在の厳しい経済状況の中で、経済交流の面では日・葡双方の潜在的な力が十分発揮されていない面もあるように思われます。この分野でも、関係者とよく話し合い、具体的な方策を考え、実現していくよう努めたいと考えます。ポルトガルとの外交関係の促進、当国における邦人保護等にも努力を続けます。

 

既にお会いした当国の政府、経済界、地方自治体の方々からは、経済や外交の面で、我が国への期待の言葉を色々お聞きしました。文化交流の面でも、関係者の熱意に幾度も接する機会がありました。我が国内の状況には難しい問題が多く、ともすれば自信を失いかねない状況もあるかもしれません。しかし、外国の我が国を見る目は、大国日本への期待が依然大きいことを感じます。これは、前任地の中米カリブ海に浮かぶドミニカ共和国(及び兼轄国のハイチ)のような開発途上国の対日観だけでなく、ポルトガルを含む欧州諸国の日本に対する共通の期待でもあります。我が国がこれからも国際社会の中で立派な国として敬意を払われ続けられるよう、大使館も尽力したいと考えます。

 

今年も師走となり、皆様にはお忙しい毎日かと存じますが、ご自愛の程をお祈り申し上げます。それではよいお年をお迎えください。

 

 

 

スピーチTOPに戻る