大使館TOP領事情報>大使館便り(第137号)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成26年 8月 1日
在ポルトガル日本国大使館

 

1.東大使からのメッセージ

 

 本格的な夏の到来を迎えましたが,皆様におかれましては,御健勝にて御活躍のことと存じます。

 本日も,皆様に嬉しいお知らせがあります。

 

【日本のポルトガル語圏諸国共同体(CPLP) へのオブザーバー参加承認】

 7月23日,東ティモールの首都ディリにおいて,ポルトガル語圏諸国共同体(CPLP)サミットが開催され,我が国のCPLPへのオブザーバー参加が全会一致で承認されたのです。

 

 6月号の私のメッセージでもお知らせしたとおり,安倍総理は,本年5月に現職の総理大臣として史上初めてポルトガルを訪問した際,カバコ・シルバ大統領及びコェーリョ首相に対し,「CPLPへのオブザーバー参加」の意図を表明され,ポルトガル側はこれを歓迎し,全面的に支援する旨約束してくれました。

 

 この5月2日の時点で,7月23日には,「CPLPサミット」が,東チモールで開催されることが決まっていたため,同サミットでの我が国のオブザーバー参加の実現を目指すこととしました。この間3ヶ月弱しかなかったのですが,CPLP事務局に提出する加盟申請書等必要書類の作成,CPLP加盟8カ国の支持取り付け等急ピッチで準備を進め,同サミットで「CPLPへのオブザーバー参加」を実現することができました。

 

 もし今次「サミット」で承認されなければ,次は2年先の「CPLPサミット」を待つ必要があったことに鑑みれば,今回アジアで初めて開催された「CPLPサミット」において日本のオブザーバー参加が認められたことの意義はより大きいものと言えましょう。

 

 この極めて短い期間の間に申請手続を了することが出来た背景には,CPLP事務局の全面的な支援がありました。CPLP事務局からも「今回の日本のオブザーバー承認は,CPLP事務局として承知している中で最もスピーディーな「承認」であった。右実現の背景には,もちろん日本が申請のための必要な書類,データを極めて迅速に準備・提出し, その申請書類が簡潔かつ内容豊かなものであったことに加え,そもそも日本が地道な外交努力により加盟各国と良好な関係を築いており,日本のオブザーバー参加に対し,どの加盟国からも反対がなかったという要因が大きい。」との評価を頂きました。

 

 リスボンに本部があるCPLP事務局のムラルジ事務総長は,モザンビーク出身,事務次長及び外交補佐官はカーボヴェルデ出身で,各々が,その出身国での日本の経済協力を高く評価してくれており,三者ともに「日本のCPLPオブザーバー加盟は,CPLP自体にとつても有益である」として,オブザーバー加盟手続きを極めて迅速かつ積極的に進めてくれたのです。

 

 また,ポルトガルの強力な支援の他,今次サミットの主催国である東チモールの支援を得て,最終的には,全てのCPLP加盟各国からの支持を得ることができたのですが,加盟各国に対する支持要請の過程で,我が国にとって伝統的な友好国であるブラジルはもとより,CPLP加盟の全てのアフリカ諸国において日本の経済援助の実績が良く認識されており,これまでの我が国の外交・経済協力,特に「TICAD」等で培ったアフリカ諸国との関係強化の努力が今回の「CPLPへのオブザーバー参加」実現の大きな原動力となっていることを実感しました。

 

 このように,(1)CPLPへのオブザーバー参加の実現は,安倍総理のポルトガル訪問の成果であること,これにより,日・ポルトガル関係は,新たな段階を迎え,安倍総理の「地球儀を俯瞰する外交」の象徴のひとつとなったこと,(2)本年1月に安倍総理がモザンビーク(当時CPLP議長国)を訪問されたことも今回の結果につながっていること,更に(3)安倍総理の今次ブラジル訪問(本日8月1日ブラジル御滞在中)は,この流れの中でも大きな意義があると考えられます。

 

 今回CPLPのオブザーバー参加が実現し,日・ポルトガル関係は「新たな段階」に入ったとも言え,今後,政治・経済・文化等あらゆる面で更に両国関係を強化していくことになります。

 特に,我が国はアジア太平洋地域で知見・経験が豊富なのに対し,ポルトガルは,ポルトガル語圏諸国(CPLP)のリーダーであり,「ポ」語圏のアフリカ,南米地域に支援を行っています。双方の知見を活用し,第三国における両国間の関係を強化することで,特に,最近日本企業の投資が活発化しているモザンビーク,アンゴラ,ブラジル等で,現地での情報交換や具体的な協力の進展をめざすことになります。

 

 日本のCPLPへのオブザーバー参加を通じて,民主化,経済成長,開発等幅広い分野においてCPLPメンバー国との更なる協力が期待されています。また,今回のCPLPサミットで,三輪昭・CPLP代表大使が安倍総理大臣のメッセージを伝達したとおり,「グローバルな影響を持つユニークな組織であるCPLPを通じて,CPLP諸国の発展に協力していく」ことになります。

 

 更に,日本国内におけるポルトガル語の普及や文化事業等を共同事業として実施し,加えてスポーツ,観光促進及び人的交流の活発化を図っていくことになります。

 

 これらの多様,多方面での協力の促進について,皆様の御支援,御協力をどうかよろしくお願い申し上げます。

 

【7月の日・ポルトガル間の要人往来】

 また,7月には,「クリスタス農業・海洋大臣の訪日」,「稲田朋美内閣府特命担当大臣のポルトガル訪問」,「衆議院欧州各国憲法及び国民投票制度調査議員団のポルトガル訪問」の3件のハイレベルの要人往来がありました。

 

 「クリスタス農業・海洋大臣の訪日」については,次号で詳細をお伝え致します。

 「稲田朋美内閣府特命担当大臣のポルトガル訪問」,「衆議院欧州各国憲法及び国民投票制度調査議員団のポルトガル訪問」については,この「大使館便り」の各々の項目を参照頂きたいのですが,いずれの訪問も日ポルトガル両国関係の促進にとっても極めて有益な訪問であり,安倍総理ポルトガル訪問の良きフォローアップとなったことを御報告致します。

 

 暑い日が続きますが,皆様におかれましては,ご自愛の程をお祈り申し上げます。

 

 

2.政治・経済関係

 

【日本のポルトガル語圏諸国共同体(CPLP)(注)へのオブザーバー参加承認】

 7月23日,CPLP首脳会議がアジアで初めて東ティモールの首都ディリで開催され,我 が国のオブザーバー参加が全会一致で承認されました。日本からは三輪昭CPLP代表(元駐 ポルトガル大使)がオブザーバーとして出席し,参加承認につき謝意を表明すると共に,同機 関を通じてCPLP諸国の発展に協力していきたい旨の安倍総理大臣のメッセージを伝達しま した。

 (注)ポルトガル語圏諸国間の連帯深化及びポルトガル語の普及等を目指す国際機関。今次首 脳会議において,赤道ギニアの加盟が承認され,CPLP加盟国は全9か国(ポルトガル,ブ ラジル,アンゴラ,モザンビーク,ギニアビサウ,サントメ・プリンシペ,カーボヴェルデ, 東ティモール,赤道ギニア)となった。

 

【衆議院欧州各国憲法及び国民投票制度調査議員団のポルトガル訪問】

 7月20〜23日,衆議院欧州各国憲法及び国民投票制度調査議員団(団長:保利耕輔議員) がポルトガルを訪問しました。同議員団は,共和国議会,大統領府,憲法裁判所で関係者との 意見交換を行ったのに加え,法務省ではテイシェイラ・ダ・クルス法務大臣とも会合し,ポル トガルの憲法及び国民投票制度について活発な質疑応答を行いました。

 

【1〜6月の予算執行状況】

 7月23日,財務省は1〜6月の予算執行状況について発表し,財政赤字が前年同期より1 億5000万ユーロ増となる41億9200万ユーロであったと明らかにしました。当地各紙報道に よると,財政赤字が膨らんだ要因として,昨年は下半期に支給された公務員の夏季休暇手当が 本年は既に支給されたこと,また,公務員給与の削減等に関する憲法裁判所の違憲判決の影響, 公的債務の利払い増等が指摘されています。なお,5月に終了したトロイカ支援プログラムの 基準によると,2014年の財政赤字(対GDP比)は4.0%と定められています。

 

 

3.広報・文化関係

 

(イベント)

【2014年「日本の書展」ポルトガル展】

 「全国書美術振興会」、在ポルトガル日本国大使館及びグルベンキアン財団の共催により、「日本の書展」が開催されます。詳細は、下記までお問い合わせ下さい。

 

日時: 10月10日(金)〜 12月28日(日)

会場: グルベンキアン美術館

住所: Av. Berna 45 A, 1067-001 Lisboa

お問い合わせ: cultural@lb.mofa.go.jp / 21 311 0560(日本国大使館広報文化班)

 

 

【第二回日本語弁論大会】

 ポルトガル日本語教師連絡会議(日本語弁論大会実行委員会)の主催により、第二回日本語弁論大会が下記の通り開催されます。

 大会は、「初級」、「上級」、「特別クラス」の三部に分けて実施されます。詳細については、下記まで問い合わせ下さい。

 

日時: 11月2日(日) 午後

会場: ポルト市アルメイダ・ガレット図書館講堂

住所: Rua de D. Manuel II - Jardins do Palácio de Cristal, 4050-239 Porto

参加者募集期間: 2014年9月15日(月)〜10月15日(水)(予定)

お問い合わせ: jpspeechcontest@gmail.com / 939 790 111

URL: http://linguajaponesaemportugal.jimdo.com/

 

 

(報告)

【館員による講演:日本のスイーツと日ポルトガル関係】

 7月9日(水),藤村和広公使は,ポルト大学で開催中の中高校生向け「ジュニア・大学2014」講座の中で,日本のスイーツと日ポルトガル関係について講演を行いました。この講演には50名近い学生・中高生が出席しました。

 同公使は,日本のスイーツの略史,日本のスイーツ市場,日本におけるポルトガルのスイーツ,去る5月の安倍晋三総理大臣のポルトガル訪問,日本国大使館が最近開催した文化行事や今後の予定などについて話をしました。

 出席した学生・中高生は同公使の講演に興味深く耳を傾け,日本への大きな関心を示していました。

 この講演は,ポルト大学での「ジュニア・大学2014」から日本国大使館への招請を受けて実施されたものです。

 講演のテキスト(ポルトガル語)は下記URLをご参照下さい。

http://www.pt.emb-japan.go.jp/jp/japao_portugal/20140714_koushi_sweets_text2.pdf

 

 

 

 

【稲田朋美内閣府特命担当大臣のポルトガル訪問】

 7月18日(金)〜21日(月),稲田朋美内閣府特命担当大臣がポルトガルを来訪し,グルベンキアン財団でのクールジャパン戦略に関する講演,シャビエル文化担当副大臣との会談を行った他,国立公文書館やシャンパリモー財団を訪問されました。

 

● クールジャパン講演

 19日,グルベンキアン財団にて,稲田大臣によるクールジャパン戦略に関する講演が 開催されました。クールジャパン戦略担当大臣の話を直接聴ける貴重な機会とあり,会場となった講堂は満席となり,講演後,参加者からは非常に興味深い内容であったと感想が聞かれました。質疑応答では,「ポルトガルに特化したクールジャパン戦略について」,「両国間での南蛮文化の再考,普及といったプロジェクトの重要性」,「ポルトガルへの日本文化センターの設置等当国における日本文化普及の戦略について」といった質問がなされ,参加者の日本文化への関心の高さがうかがえました。

 また,講演会に続いて開催された参加者との交流会では,JapanNET(日本文化友好団体によるネットワーク)の会員による,盆栽,折り紙,風呂敷,コスプレに関する展示,団体活動内容の紹介が行われ,稲田大臣に当国における「クールジャパン」を知っていただく良い機会となりました。

 講演会での東大使の冒頭あいさつ(和文,ポルトガル語)は下記URLをご参照下さい。

http://www.pt.emb-japan.go.jp/jp/culture/discurso_embaixador_inada_japones.pdf(和文)

http://www.pt.emb-japan.go.jp/jp/culture/discurso_embaixador_inada.pdf(ポルトガル語)

 

稲田大臣講演の模様

 

   
JapanNETのメンバーと歓談する稲田大臣     JapanNETのメンバーと記念撮影

 

● 国立公文書館(トーレ・ド・トンボ)訪問

 21日,稲田大臣は国立公文書館を訪問しました。同大臣はコルテス書籍・公文書館・図書館局長及びラセルダ同副局長と面談し,日本の公文書館のあり方について議論が高まっている状況を説明した上で,公文書館の機能,施設,また同施設を用いた教育的な取り組みについて意見交換を行いました。また,同大臣は国立公文書館内の各施設を視察しました。

 

コルテス局長他から説明を受ける稲田大臣

 

● シャビエル文化担当副大臣との会談

 国立公文書館への訪問に続き,市内アジューダ宮において,シャビエル文化担当副大臣と約一時間に亘り会談が行われました。本年5月の安倍総理来訪時に発表された「共同コミュニケ」の中で,史料館同士の協力促進が言及されたことを受け,稲田大臣とシャビエル副大臣は,今後,両国の公文書館の交流を深めていくことで一致し,また,公文書の管理,展示等について,取り組みと課題について意見交換をしました。

 

シャビエル副大臣と談笑する稲田大臣

 

● シャンパリモー財団訪問

 同21日,稲田大臣は,ポルトガル滞在の最後の訪問地として,シャンパリモー財団を訪問されました。同大臣は,ベレーザ理事長自らの案内で研究室や最先端のがん治療設備を有するクリニックを視察し,同財団の取り組みについて説明を受けました。また,同大臣は,この財団で研究活動を進めている日本人研究者3名とも交流されました。

 

 

4.領事関係

 

【旅レジのご案内】

 外務省では,7月1日から海外旅行者向けに,外務省海外旅行登録「たびレジ」を実施しております。この制度は海外旅行者や出張者のような短期渡航者の方に現地での滞在予定を登録していただくことで最新の渡航情報などの提供や緊急事態発生時の対応に活用することを目的としているものです。登録は任意であり,外務省ホームページの専用サイトに必要事項(旅行日程,滞在先,連絡先など)を入力することで手続きすることができます。

 

旅レジ登録サイト:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

 

 

【在外選挙人証の登録について】

 在ポルトガル日本国大使館では,在外選挙人名簿への登録申請を受け付けております。日本 国籍を有する20歳以上の有権者で,ポルトガルに3か月以上継続して居住している方は,在外選挙人登録を申請することができます。在外選挙人登録をすることにより,外国に住んでいても国政選挙に投票することができるようになりますので,該当される方は登録をお願いいたします。なお,申請の際にはパスポートが必要となります。本件申請に関して,ご不明な点などがありましたら当館領事班までお問い合わせください。

 

 

【在留届に関するお願い】

 近年、海外で生活する日本人が急増し、このため海外で事件や事故等思わぬ災害に巻き込まれるケースが増加しています。万一、在留邦人の皆様がこのような事態に遭われた場合には、日本国大使館や総領事館は「在留届」を基に皆様の所在地や緊急連絡先又は日本国内の連絡先等を確認して援護活動を行っています。

 当館でも、皆様に提出いただいた在留届により連絡先の把握を行い、大使館からの海外危険情報や広報文化活動などの情報提供、緊急時の連絡網整備、安否確認に役立てているところです。

 このため、ポルトガル国内での転居日本への帰国他国への転出等、在留届の届け出事項に変更が生じた後、引き続きこの大使館便りをご覧の方は、速やかにその旨を下記領事班あてにE-mailにてご連絡ください。

 また、皆様の友人・知人で「ポルトガルに居住しているが、まだ在留届を提出していない方」がおられましたら、届出を行うようご案内ください。

 

 

【当館領事業務へのご意見募集】

 当館では、領事サービスの向上を図るため、皆様からのご意見を募集いたしております。どのような些細な事柄でも結構ですので、ご意見・ご要望等があればお気軽に下記領事班あてにE-mailにてご連絡下さい。

 

 

在ポルトガル日本国大使館(領事班)

(EMBAIXADA DO JAPÃO)

 

住   所:Avenida da Liberdade、245-6 1269-033 Lisboa

T E L:21-311-0560

F A X:21-354-3975

E−mail:consular@lb.mofa.go.jp