渡航にあたっての留意事項

平成29年1月18日
 

犯罪発生状況,防犯対策

 
 ポルトガル国内では,近年犯罪認知件数は年間35万件前後で推移しており,観光客を狙ったスリ・ひったくり等の窃盗事件が引き続き発生しており,特に邦人旅行者の被害が顕著となっています。ポルトガルに長期滞在される方は,安全対策基礎データをに加え,「安全の手引き」も併せてご覧ください。
 
1 犯罪発生状況
 ポルトガル政府が公表した2015年の犯罪認知件数は35万6,032件で,前年よりも1.3%増加しました。全体としては2008年以降減少傾向にあります。認知件数の多い犯罪は,車上狙い(平均69件/日),暴行(平均65件/日),飲酒運転(平均63件/日),住居侵入盗(平均44件/日),スリ(平均40/日),置引き(平均30件/日)の順となっています。特に,ひったくりを含む路上強盗は減少していますが,スリや置引きは前年よりも増加しています。犯罪発生件数が多い地域は,リスボン県,ポルト県,セトゥーバル県,ファロ県,ブラガ県,アヴェイロ県の順です。
 
2 防犯対策
(1)防犯の基本的な心構え
 大使館に届けられる被害届の大半は,スリ・置引きなどの盗難被害です。ポルトガルでは,デビットカード(ムルティバンコ(Multibanco)),またはクレジットカードによる支払いが一般的であるため,地元の人は多額の現金を持ち歩きませんが,外国人の観光客は多額の現金を持ち歩いていると思われていることが多く,犯罪者のターゲットとなっています。
邦人に限らず,外国人旅行者が装飾品や高級品を身につけていることや,カメラを首から提げ地図を見ながら歩く等,一見して観光客とわかるような格好をしていることも犯罪者から狙われる要因となりますので,十分注意してください。
また,グループでの行動の際に注意力が散漫となり,グループ内で日本語で会話をしている隙に被害にあってしまうケースも多発していますので,注意してください。
 リスボン市内では夜間の遊興施設が集中しているバイロ・アルト,パルケ・ダス・ナソンイス,カイス・ド・ソドレ,ドッカスの各地区,ポルト市内ではリベイラ地区のディスコやバーなどの周辺で,暴行・傷害事件が発生しており,その多くが酒に酔った若者の喧嘩やトラブルです。こうした場所への立ち寄りや,深夜の外出をする場合,周囲の状況に注意を払いましょう。
 
(2)旅行者へのアドバイス
 a. 旅行前
 (ア)旅行書類(パスポート,航空券,日程表)をスキャンして,自分のe-mailに送信しておく。
 (イ)重要な連絡先(大使館,病院,警察等)のリストを作成しておく。
 (ウ)訪問先への連絡手段を友人・親戚に知らせておく。

 b. 旅行中
 (ア)街に出る時は,パスポートのカラーコピーを所持する。
 (イ)最低限必要なものだけを所持し,同じ持ち物の中に全てのものを入れることを避ける。
 (ウ)常にファスナーや鍵等の付いたバッグを所持する。
 (エ)決して貴重品から目を離さない。
 (オ)レストランやバーでは,テーブルの上に貴重品を置いたり,また,椅子の後ろにハンドバッグ等を提げたり,テーブルの下に荷物を置いたまま席を離れない。
 (カ)照明の暗い通りや,人通りの少ない路地に入らない。
 (キ)支払いの際,クレジットカード等から目を離さない(支払いは,常に自分の目の前で行うこと)。

 c. ホテル
 (ア)チェックイン,チェックアウトの際,決して荷物から目を離さない。
 (イ)外出や就寝する前に,部屋のドアや窓が安全に閉まっているか確認する。
 (ウ)貴重品は,セーフティー・ボックスやフロントの貴重品預かりを利用する。
 (エ)ホテルで在室中に,頼みもしないのにホテル従業員らしき人が訪ねてきた場合は,決してすぐにドアを開けず,まず,フロントに確認する。

 d. 車内
 (ア)走行中は常にドアをロックしておく。
 (イ)可能な限り,管理され,明るい,人気の多い場所に駐車する。
 (ウ)駐車する際は,車内の見える場所に物を残さない。
 (エ)駐車後,その場を離れる場合は,必ずドアロックをする。
 (オ)観光バスを利用する際,目的地到着後にバスを降りる時は,貴重品はバス内に残さないようにする。

 e. 海水浴場
 (ア)必要な現金のみ所持し,他の貴重品は所持しない。
 (イ)海水浴中は,持ち物が見通せる範囲にいる。
 
(3)邦人旅行者の被害が多い犯罪への対策
 a. スリの被害に遭わないために
 (ア)外出時は,旅券,多額の現金・カード類,航空券等の貴重品は極力持ち歩かないようにする。
 (イ)やむを得ず持ち歩く場合には,貴重品などは一箇所にまとめず,分散させる。
 (ウ)ズボンの後ろポケットやバッグの外側のポケット等,人目につくところに財布や  貴重品を入れないことや,常にバッグの口を閉めておくことを心がける。
 (エ)所持するバッグ等は,蓋やファスナーがあり,犯人らが容易に手を入れることが出来ないものがよい。
 (オ)電車やバス等の車内,各種入場券売り場,観光スポット,美術館等の混雑している場所では,バッグ等の荷物は身体の正面に抱える方法で所持し,歩行中でもリュックサックは背中に背負わない。
 (カ)公共交通機関や観光地でスリ被害に遭うケースが多い(地下鉄や市電では集団で乗客を取り囲んで,視界を遮っておいてから駅に着く直前に盗み,そのまま逃走する手口が報告されています。)。
 (キ)車内で,不審なグループに取り囲まれそうになったら,その場から移動し,場合によっては降りる必要がなくても下車する。
 (ク)リスボンの路面電車(特に28番や15番)などでは,乗車する時に割り込まれ,前後に挟まれると,前の人物が切符の検札機で時間を稼いでいる間に,後ろの犯人がスリを行うので注意する。また,乗車の時に,料金の支払いに気を取られていると他の所持品を盗まれることがある。
 (ケ)道や時間を訊いてきたり,子供たちが集団で話しかけてきたりして,対応している間に被害に遭うケースもあるため,会話に夢中にならないようにする。
 
 b. 置引きの被害に遭わないために
 (ア)空港,ホテル,レストラン等では,荷物を床や座席に放置しない。
 (イ)空港,ホテル,ターミナル駅で見知らぬ者が突然話しかけてきたり,小銭や持ち物を目の前でばらまいたりして,相手の気を引いた隙に,足下や椅子に置いておいたバッグを盗まれることもあるので,常に荷物等に注意を払う。
 
 c. 親切を装う人物からの強盗,窃盗,詐欺にあわないために
 (ア)両替所付近では,旅行者が親切を装った犯人に人気のないところに連れ込まれ,凶器を突き付けられて金品を奪われる事件が発生しているため,男女を問わず,素性を知らない人の誘いには安易に応じない。
 (イ)見知らぬ者から薦められた飲み物や食べ物を安易に口にしない(睡眠薬を混入させ,被害者が意識を失った隙に所持品を盗む手口もあります。)。
 (ウ)旅行客を狙った寸借詐欺事件が発生していますので,見ず知らずの者に金銭を貸さないでください。
 (エ)パンクの修理の際の手伝いを装って,その間に金品を窃取するケースも報告されているので,注意する(レンタカーを利用する場合は,駐車した際にパンクされ,こうした被害に遭う場合があります。)。
 
 d. 強盗やひったくりの被害に遭わないために
 (ア)人気のない通りや夜道での一人歩きを避け,可能な限りタクシーを利用する(当地のタクシーは日本と比較すると料金が比較的低廉ですので,気軽に利用できる交通機関です。)。
 (イ)道を歩く時は,ショルダーバッグ等は車道と反対側に抱えて携帯する(ショルダーバッグをたすき掛けにしていても,カッターナイフ等で皮紐を切られて,強引に盗まれる場合があります。また,たすき掛けは,ひったくられた際,転倒等して大けがをすることがありますので,お勧めしません。)。
 (ウ)自動車,バイクによるひったくりも発生しています。その際に,転倒して負傷するという被害も発生していますので,盗られてしまったら,自分の身の安全を考えてバックから手を離したり,犯行者を追いかけないでください。)。
 (エ)貴重品や鍵等,盗まれた場合の損害が大きいものに関しては,事前に安全な場所で,鞄の中から服の内側ポケットなど安全なところに移し替える。
 (オ)外を歩く時は,一見して高価とわかる腕時計,ネックレス等の貴金属類は身に付けない(引き千切るといった乱暴な手口で奪取されることもあり,思わぬ大怪我を負うことがあります。高価な時計,宝石等は目的地に着いてから身につけるといった配慮が必要です。)。
 (カ)万一,襲われた時,特に相手が凶器を持っている場合には,身の安全のために抵抗しない。
 (キ)また,襲われた際には,取り出し易い箇所にいくらかの紙幣を用意して,素直に差し出す(被害を最小限に抑えることができる方法の1つです。)。
 
 e. 車上狙いの被害に遭わないために
 (ア)防犯アラーム及び盗難防止装置が付いている車両を使用する。
 (イ)GPS機能内蔵の車両を使用する(位置探査が可能です。)。
 (ウ)車両は人通りの少ない場所や人目に付きにくい場所には駐車せず,駐車場がなければ,出来るだけ建物の出入口近くに駐車する。
 (エ)夜間は常に車庫や駐車場に駐車し,やむを得ず路上駐車する場合でも,照明灯がある明るい場所で交通量のある場所に駐車する。
 (オ)駐車場内であっても,出来るだけ係員の目が届く場所に駐車する。
 (カ)短時間の駐車でも,必ずドアロックする。
 (キ)車内に携帯型カーナビゲーションシステムや荷物(バッグ,箱,上着,身分証明書等の貴重品が中に入っていると他人に思わせるもの全て)を放置しない。
 (ク)車が故障した場合,三角板を置いた後,車の施錠をした上で,専門業者を待つ。
 
3 日本人の被害例
特に近年多発した日本人観光客の主な被害事例は以下のとおりです。
(1)リスボン市のレスタウラドーレス(Restauradores)広場やロッシオ(Rossio)広場等
 a. 空港行きのバスを待っているときに,男性二人組に話しかけられ,貴重品入れを盗まれた。
 b. 会社員や観光客を装った窃盗犯から,地図を広げ道を聞かれ対応している隙に,鞄から貴重品が盗まれた。
 c. ホテルの朝食時(ビュッフェ方式),鞄をテーブルに置いたまま料理を取りに行っている隙に,鞄が盗まれた。
 d. レストランで食事中,椅子の横(下)に置いておいた鞄が盗まれた。
 e. 車に貴重品を置いて観光していると,トランクを開けられ貴重品が盗まれた。
 f.  ホテルでチェックインをしている間に,足下に置いた鞄を盗まれた。
 
(2)リスボン路面電車(28番線及び15番線)
 a. 乗車後すぐに大人数に囲まれ,自分の周りだけ混雑した状況になり,下車したときに財布を盗まれたことに気づいた。
 b. 空いている車内であるにもかかわらず,出入り口付近に人が集まっている状況で,出入り口付近に立っていると,3人ほどに挟まれズボンのポケットから財布を盗まれた。
 c. 乗車券を購入するための列に並んでいる時に,鞄から貴重品が盗まれていた。
 d. 満員の市電から下車後,鞄を確認したところ,鞄が開けられ貴重品入れがすられていた。
 e. 乗車中に男女2人に挟まれ,サン・ジョルジュ城近くの停留所の近くで,そのうちの一人がバッグに手を突っ込み,バッグ内の旅券及び財布,列車のチケットを盗み停車後,その2人が市電から降り逃走した。
 f. リュックサックを背負って乗車中に,背後からリュックサックのファスナーを開けられ,貴重品を盗まれた。
 
 これらに加えて,コメルシオ広場からレスタウラドーレス広場にかけてのバイシャ地区,アルファマ地区及びバイロ・アルト地区などでは,スリ・ひったくり・置引き等の窃盗被害が発生しています。
 このほかにも,スリ被害はバス,地下鉄,市電といった公共交通機関で,置引きはレストランや観光名所だけでなく,ホテルのフロントや空港でも発生していますので,十分に注意してください。
 
4 テロ
 これまでに,ポルトガルにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でもテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロも発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

   

査証,出入国審査等

 
1 査証・滞在許可について
(1)旅券の残存有効期間について
 ポルトガルへの入国に際して必要な旅券の残存有効期間は,「滞在期間+3か月」です。
 
(2)短期滞在(査証免除について)
 日本とポルトガルの査証免除取極に基づき,観光等を目的とする3か月以内の短期滞在の場合には,査証を取得する必要はありません。
 なお,ポルトガルが加盟しているシェンゲン協定に関して,2013年10月18日から,同域内において査証を必要としない短期滞在については,「あらゆる180日の期間内で最大90日間を超えない」との規定が適用されます(従来は,「最初の入域日から6か月のうち最大3か月の間」であった規定が変更となったもの)。これにより,無査証で滞在できる期間は最大「90日」となり,過去180日の期間内での滞在日数もすべて滞在日数として算入されることになります。
 また,2013年7月19日から,短期滞在査証免除の対象者についても,有効期間が出国予定日から3か月以上残っており,かつ,10年以内に発行された渡航文書(パスポート)を保持していることが必要となります。
 シェンゲン協定の詳細等につきましては駐日欧州連合代表部(電話:03-5422-6002,URL:http://www.euinjapan.jp/ ),ポルトガルの措置に関する情報は駐日ポルトガル大使館に問い合わせて必ず確認することをお勧めします。
※参考:外務省ホームページ『欧州諸国を訪問する方へ』
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page4_000122.html
 
(3)長期滞在について
 3か月を超えて滞在をする場合には,予め査証を取得しておく必要があります。滞在する期間や目的によって取得すべき査証の種類は異なりますが,大別すると次の2種類の査証のどちらかを取得することになります(詳細は,在日ポルトガル大使館にお問い合わせください。)。
 a. 一時滞在査証(Visto de Estada Temporária):1年未満の滞在の場合
 b. 滞在査証(Visto de Residência):1年以上の滞在が見込まれる場合
 なお,査証を取得しないまま,3か月をこえて滞在すると,罰金刑に処せられた上,5年を下回らない範囲で入国が制限されることがありますので,ご注意ください。
 
2 出入国審査
(1)シェンゲン協定加盟国内から入国する場合には入国審査は行われませんが,到着後3営業日以内に最寄りの外国人管理局で入国の届出をしなければなりません。ただし,入国後ポルトガル政府公認のホテル等宿泊施設に宿泊し,宿泊名簿等に記入した場合には,届け出たものとして扱われます。
 なお,18歳未満の未成年については,同伴の親権者がいない場合,またはポルトガル国内に身元保証人がいない場合には,入国を拒否される場合があるのでご注意ください。
 
(2)上記のとおり,シェンゲン協定域外から域内に入る場合,最初に入域する国において入国審査が行われ,その後のシェンゲン協定域内の移動においては原則として入国審査が行われません。
 しかし最近,ドイツ以外のシェンゲン協定域内国に長期滞在を目的として渡航した邦人が,経由地であるドイツで入国審査を受ける際に入国管理当局から(ア)最終滞在予定国の有効な滞在許可証,(イ)ドイツ滞在法第4条のカテゴリーD査証(ナショナル・ビザ)(注),又は(ウ)同D査証に相当する滞在予定国の長期滞在査証の提示を求められ,これを所持していないために入国を拒否される事例が発生しております。
 このため,現地に到着してから滞在許可証を取得することを予定している場合には,注意が必要です。
 ドイツ以外の国では同様の事例は発生しておりませんが,シェンゲン協定域内国での長期滞在を目的に渡航する場合には,滞在国及び経由国の入国審査,滞在許可制度の詳細につき,各国の政府観光局,我が国に存在する各国の大使館等に問い合わせるなどし,事前に確認するようにしてください。
(注)ドイツ滞在法第4条カテゴリーD査証:ナショナル・ビザ
 ドイツに3か月以上長期滞在する場合のビザ。同ビザ保有により,(1)ビザの発行目的によってドイツでの永久ないし一時滞在,(2)シェンゲン協定域内国のトランジット又はドイツへの入国許可を取得。
 
○シェンゲン協定域内国:26カ国
アイスランド,イタリア,エストニア,オーストリア,オランダ,ギリシャ,スイス,スウェーデン,スペイン,スロバキア,スロベニア,チェコ,デンマーク,ドイツ,ノルウェー,ハンガリー,フィンランド,フランス,ベルギー,ポーランド,ポルトガル,マルタ,ラトビア,リトアニア,ルクセンブルク,リヒテンシュタイン
 
(3)シェンゲン協定加盟国間の国境(陸路)における出入国管理及び税関は原則廃止され,自由に移動ができます。また,空港における審査も一般的には簡素化されています。
 但し,治安対策等のため,特にルクセンブルクから列車を利用して隣国との国境を越える場合,車内で警察による旅券(パスポート)検査や所持品検査が行われることがあります。
 
(4)シェンゲン領域内の移動に際しては,入国審査の有無にかかわらず,日本国旅券を常に携行する必要があります。シェンゲン領域内において,旅券を紛失(盗難を含む)した場合には,速やかに旅券を紛失した場所(国)において,現地警察などへの届出及び最寄りの在外公館にて旅券(または帰国のための渡航書)の発給手続きをするように留意してください。
 
3 税関
 税関検査は以前に比べ厳しくなっていますので,身の回り品を除き必要以上に多量の物品を持ち込まないようにし,段ボール箱による持ち込みは避けた方が賢明です。
 なお,入国時における持ち込み制限は以下のとおりです。
(1)外貨を含めた通貨及び現金化可能な資産
 a. 持ち込み,持ち出しは無制限
 b. 但し,1万ユーロ相当以上の現金や現金化可能な資産を欧州連合(EU)域内に持ち込む,若しくは域外に持ち出す場合には税関での申告が必要。
 
(2)土産品
 a. 陸路(車両・鉄道),若しくは自家用船舶あるいは航空機で入国する場合:300ユーロ相当まで
 b. 自家用でない空路(航空機),あるいは航路(船舶)で入国する場合:430ユーロ相当まで
 c. 15歳未満が入国する場合:150ユーロ相当まで
 d. 乗務員/乗組員:200ユーロ相当まで
 
(3)たばこ類
 a. たばこ200本又は,細葉巻タバコ(1本3グラムまで)100本又は,葉巻50本又は刻みタバコ250グラム
 b. 乗務員/乗組員の場合は,たばこ80本又は,細葉巻タバコ(1本3グラムまで)20本又は,葉巻10本又は刻みタバコ50グラム
 
(4)アルコール類
 a. 23度以上の酒又は80度以上の非変性エチルアルコール 1リットル 又は 22度以下の酒 2リットル
 b. ビール 16リットル
 c. 非発泡性ワイン(スパークリングワイン,ヴィーニョヴェルデ,ポルトワイン,モスカテル・マデイラワイン等を除く) 4リットル

(5)燃料類
    車両等の燃料タンクに入っている燃料,又は携帯容器入りの燃料10リットル
 ※タバコ類,アルコール類,燃料については,17歳未満が持ち込む場合には免税対象とはならない。
 ※麻薬類,銃砲類は輸入禁制品です。
 
その他詳細につきましては,以下のポルトガル税関のホームページをご確認ください。http://www.dgaiec.min-financas.pt/pt/informacao_aduaneira/viajantes/

 

滞在時の留意事項

 
1 身分証所持義務
 ポルトガルでは常時身分を証明するもの(パスポートのコピー可)を所持する必要があります。
 
2 写真撮影の制限
 軍関係施設及び空港施設については,写真撮影が制限されています。
 
3 薬物の取締り
 コカイン,クラック,マリファナ,ヘロイン,LSD,覚せい剤等の主要禁止薬物を輸入し,譲り渡しまたは譲り受け,所持した者は,通常は最長15年の禁固処分となります。
 
4 賭博行為
 公営のカジノ,福祉団体が主催する宝くじ等があり,外国人も購入できますが,不法賭博を犯した場合は処罰されます。当局が管理する合法的なカジノ以外での賭博行為は,6か月以下の禁固及び罰金に処せられます。
 
5 車を運転する場合の注意事項
(1)一般的な交通ルール
 右側通行で,信号のない交差点では右側車両優先となります。ただし,ロータリー(ロトゥンダ)では,ロータリー内にいる車が進入しようとする車より優先権を持ちます。
 法定制限速度は,市街地50km/h以下,郊外一般道路70~90km/h,高速道路120km/hとなっており,日本の道路に比べ制限速度が高くなってます。
 シートベルトは,助手席,後部座席も含めて全員に着用が義務付けられており,違反者は処罰(罰金)されます。
 
(2)道路事情・運転マナー
 a. 道路事情
 市街地では,石畳の道,狭く曲がりくねった道,路上駐車が多いため,非常に運転が難しくなっています。また,リスボン市やポルト市では路面電車の軌道敷上を走ることもあり,雨の日はスリップするなど,より運転しにくくなっています。
高速道路は,最近になって整備された道路も多く,走行しやすくなっているものの,後述するとおり,当地の運転マナーは必ずしも良くないため,周囲の車には注意が必要です。

   b. 運転マナー
 当地は,日本と比べると,総じて運転者,歩行者のマナーは良くありません。車の運転は一般に乱暴で,車間距離もあまりとらず,また,道幅が狭く相互通行困難な場合でも徐行せず運転することが多く見られます。走行速度,一般道,高速道路問わず,制限速度を大幅に超過する車が多く,方向指示器なしでの車線変更も頻繁に行われます。また,歩行者も信号を守ることは少なく,横断歩道の無い場所でも平気で横断しています。
 運転を行う際には,周囲の車の動き,歩行者の動きに注意し,高速道路など速度が超過しやすい道路では,後方から接近する車の動きにもご注意ください。

<レンタカーの利用>
 レンタカーは,空港,主要駅周辺では利用に不自由はしません。しかし,地方では借りられる場所が限定される場合がありますのでご注意ください。
 
(3)交通違反の罰則について
 交通違反の罰則は強化されており,それに伴い,飲酒運転の検問等の取締りも強化されています。
外国人旅行者等の短期滞在者が違反した場合には,その場で最高限度額の支払いを求められるか,帰国後,レンタカー会社を通じて,反則金の支払いを求められる場合もありますのでご注意ください。
 
(4)運転免許証について
 ポルトガルでは,日本の警察署等で発行された国際免許証で運転することができますが,その有効期間は入国後185日以内とされています。長期滞在する場合には,日本の運転免許証をポルトガルの運転免許証に切り替える必要があります。
 
6 在留届
 現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく在ポルトガル日本国大使館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても行うことができますので,在ポルトガル日本国大使館まで送付してください。
 
7 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は,外務省海外旅行登録「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。「たびレジ」に渡航期間・滞在先・連絡先等を登録すると,滞在先の最新の安全情報がメールで届き,緊急時には在外公館からの連絡を受けることができます。安全情報の受け取り先として,家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので,併せてご活用ください。
 
8 子供を連れて旅行する場合の注意
 ポルトガルはEU加盟国をはじめ,米国,カナダ,オーストラリア等で締結されている「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締結国であるため,仮に片親だけで子供を連れて旅行をする場合に,もう他の親権者による委任状等を所持していないと,各国の子供を誘拐する行為として,重大な犯罪とされる場合があります。
ポルトガルでは,刑法の規定により,「未成年者を連れ去る者」などの行為が,親,養親,後見人によるものである場合,2年以下の禁固刑又は,240日以下に相当する罰金が科せられますので,ご注意ください。
 
9 ハーグ条約
 上記8のとおり,ポルトガルは,国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去り又は留置した場合は,原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html

 

風俗,習慣,健康等

 
1 習慣
 スペインのようなシエスタ(昼休み)の習慣はなく,商店等が休業することはありませんが,昼食は1時頃から十分に時間をかけて取る習慣がありますので,飲食店では待つこともあります。また,夕食の時間も日本に比べ遅く,レストランなどの飲食店は,夜7時半以降でないと開店しないお店が多いのでご注意ください。
 国民の大多数がカトリックのため,都市部でも観光地,サービス業を除けば日曜日は安息日となり,個人商店はほとんど閉店します。
教会の多くは出入り自由ですが,熱心な信者の祈りを妨げるような行為は厳に慎まなければなりません。観光客が多く集まる有名な寺院,修道院付設の教会等でも同様の注意が必要です。また,女性は肌の露出が多い服装は敬遠される事が多いので注意しましょう。
 
2 気候,食習慣等
 当地の気候は,年間を通じておおむね温暖で過ごしやすいですが,夏など朝晩の寒暖の差が大きいため,服装には注意を払う必要があります。
 夏期(4・5月~9・10月)は,ほとんど雨が降ることがなく,非常に乾燥しており日差しも強いため,熱射病を避けるためにも帽子を着用し,こまめに水分補給を行うことをお勧めします。
 冬期(10・11月~3月)は,雨が多くなります。また,朝天気が良くても午後には雨が降るなど,天候が変わりやすい時期となりますので,折り畳み傘など雨具の準備が常に必要となります。
 飲食物の汚染等に基づく中毒等の心配はありませんが,水道水には石灰分が多く含まれていること等から,ミネラル・ウォーター(アグア・セン・ガシュ)を飲まれることをお勧めします。
 
3 医療事情
(1)医療機関は,公立病院,公立診療所,私立病院,個人医の4種類がありますが,医療水準はヨーロッパの中では低いです。
当国の社会保険に入っている場合,公立病院では,診察料金が低額若しくは無料で受診ができますが,そのため非常に混雑しており,入院病棟も病床が常に不足しています。
 私立病院は,設備面ではほぼ問題がありませんが,社会保険は適用されず一般的に診察だけで100ユーロ程度,入院するだけで1日約200ユーロ程度の高額の費用が必要となります。
 軽い風邪薬,腹痛薬,頭痛薬,消毒薬,及び軟膏など,簡易な治療薬は処方箋が無くても薬剤師に相談の上購入することができます。しかしながら,日本人の体質に合わないものもありますので,常備薬は日本から持参されることをお勧めします。
 
(2)当地は,特異な風土病もないので,入国にあたって義務づけられた予防接種もありません。また,蚊も少ないため蚊を媒介とする伝染病の発生例もあまり見受けられません。ただし,大西洋上のマデイラ諸島は海洋亜熱帯性の気候で,蚊も多いため,デング熱等蚊を媒体とする伝染病に気をつける必要があります。マデイラ諸島へ行かれる際は,虫除けを準備するなど虫さされに対する注意が必要です。なお,以下の厚生省検疫所ホームページも併せて参考にしてください。

●感染症情報(http://www.forth.go.jp
 
●緊急時の連絡先
 
◎非常用(警察・救急)  :112
◎在ポルトガル日本国大使館:(+351)21-3110560
※在留邦人向け安全の手引き
その他の詳しい情報は,現地の在外公館(日本大使館・総領事館等)が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」をご参照ください。
 
 
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903
 
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○外務省海外安全ホームページ
  http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)
 
(現地大使館連絡先)
○在ポルトガル日本国大使館
  住所:Av. da Liberdade, No 245-6o, 1269-033 Lisboa, PORTUGAL
  電話:21-3110560
     国外からは(国番号351)-21-3110560
  ファックス:21-3537600
     国外からは(国番号351)-21-3537600
  ホームページ:https://www.pt.emb-japan.go.jp/jp/indexjp.htm